「尊き教皇の時が尽きたとき、年配のローマ人が選ばれるであろう。彼は長くその座にあったにもかかわらず、善行によってその玉座を汚したと言われるであろう」

ノストラダムス(画像はイメージです)
ノストラダムス(画像はイメージです)
  • 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
  • フランス出身
  • 医師、占星術師、詩人

英文

”When the venerable pontiff’s hour has come, a Roman of good age shall be elected, of whom it will be said that he dishonored his throne though he held it long, with virtuous acts.”

日本語訳

「尊き教皇の時が尽きたとき、年配のローマ人が選ばれるであろう。彼は長くその座にあったにもかかわらず、善行によってその玉座を汚したと言われるであろう」

解説

この句は、教皇交代とその評価に関する予言である。ノストラダムスの時代、教皇庁はヨーロッパ政治に大きな影響力を持ち、教皇の人格や行動は広く論じられた。「尊き教皇の時が尽きたとき」とは前教皇の死去を意味し、「年配のローマ人が選ばれる」という部分は、伝統や安定を重視して高齢の人物が選ばれる可能性を示唆している。

しかし、この人物について「善行によって玉座を汚した」と言われる逆説的な表現がある。これは彼の善意や改革的行動が、かえって既存の権力や制度を揺るがしたことを意味すると解釈できる。すなわち、彼は道徳的には正しくても、政治的には波紋を呼ぶ存在であったという評価である。

現代的に読むならば、これは理想と現実の衝突を描いた寓話として理解できる。権力の座にある者が真の善行を行うと、しばしば既得権益を脅かし「裏切り者」や「汚した者」と非難される。この句は、正義を貫く行動が必ずしも評価されない現実を暗示しており、政治や宗教における普遍的な葛藤を象徴している。

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