「ヨーロッパ西方の奥地に、貧しき人々から一人の子が生まれるであろう。彼はその舌によって大軍を魅了し、その名声は東方の地にまで広がるであろう」

- 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
- フランス出身
- 医師、占星術師、詩人
英文
”From the depths of the West of Europe, a young child will be born of poor people, he who by his tongue will seduce a great troop; his fame will increase towards the realm of the East.”
日本語訳
「ヨーロッパ西方の奥地に、貧しき人々から一人の子が生まれるであろう。彼はその舌によって大軍を魅了し、その名声は東方の地にまで広がるであろう」
解説
この句は、卑しい出自から言葉の力で大勢を従える指導者の出現を描いている。「舌によって大軍を魅了する」とは、雄弁や宣伝によって人心を掌握することを意味し、しばしばアドルフ・ヒトラーの台頭と結び付けられてきた。ヒトラーは西欧のオーストリアに生まれ、貧しい家庭の出でありながら、演説によって大衆を動員し、東方への拡大政策を掲げたため、この句と重ねて解釈されることが多い。
ただし、この予言は具体的に誰かを指すのではなく、貧しい出自から雄弁によって権力を握る指導者像という普遍的なテーマを象徴している可能性が高い。歴史を通じて、軍事力ではなく言葉によって人々を動かし、巨大な影響力を持った人物は繰り返し現れてきた。
現代的に読むならば、この句は言葉の力の危険性と魅力を寓話的に示している。雄弁は人々を鼓舞し結束させる一方で、誤った方向に導く危険をも併せ持つ。ノストラダムスのこの一節は、言葉による支配が持つ二面性を示す警告として理解できる。
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