「メディア、アラビア、アルメニアの地において、二つの大軍が三度集結する。アラクサス川のほとりに陣取る軍勢は、大スレイマンの地において敗れるであろう」

- 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
- フランス出身
- 医師、占星術師、詩人
英文
”On the fields of Media, of Arabia, and of Armenia, two great armies will assemble thrice. The host near the bank of the Araxes, they will fall in the land of the great Suleiman.”
日本語訳
「メディア、アラビア、アルメニアの地において、二つの大軍が三度集結する。アラクサス川のほとりに陣取る軍勢は、大スレイマンの地において敗れるであろう」
解説
この句は、中東とその周辺における大規模な戦争を描いている。「メディア」は古代ペルシアの一地域(現在のイラン北西部)、「アラビア」はアラビア半島全域、「アルメニア」は南コーカサスの国であり、いずれも歴史的に大国の衝突地帯であった。これらの地に二つの大軍が「三度集結する」という表現は、繰り返される戦役や長期戦争を暗示している。
「アラクサス川」はアルメニアを流れる川(現代のアラス川)であり、東西勢力の境界線とされる重要な地であった。その地での敗北は、国境地帯の戦いが大きな帰結をもたらすことを意味している。「大スレイマン」とは一般にオスマン帝国のスレイマン1世(スレイマン大帝)を指すと解釈され、16世紀当時のオスマン帝国の強大さを象徴している。
現代的に解釈するならば、この予言は中東を舞台とする国際的な軍事衝突の必然性を描いているといえる。具体的事件を予見したというより、歴史上繰り返された中東の戦乱構造を象徴している。「三度の集結」という表現は、戦争が一度で終わらず、反復的に同じ地域で大軍が激突する運命を示しており、地域の不安定性を寓話的に表現したものである。
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