「卑俗な時代の到来ゆえに、私は身を引き、暗く謎めいた文によって人類の未来の変容の原因を語ることにした。とりわけ最も切迫したもの、私が感知したものについて、彼らの壊れやすい感情を刺激しない方法で」

- 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
- フランス出身
- 医師、占星術師、詩人
英文
”Because of the vulgar advent, I decided to give way and, by dark and cryptic sentences, tell of the causes of the future mutation of mankind; especially the most urgent ones, and the ones I perceived, and in a manner that would not upset their fragile sentiments.”
日本語訳
「卑俗な時代の到来ゆえに、私は身を引き、暗く謎めいた文によって人類の未来の変容の原因を語ることにした。とりわけ最も切迫したもの、私が感知したものについて、彼らの壊れやすい感情を刺激しない方法で」
解説
この句は、ノストラダムスが自らの予言文体の意図を説明したものとされる。彼は「暗く謎めいた文」を用いた理由を、人々の感情を傷つけずに未来の変化を伝えるためであると述べている。つまり、彼の予言が難解で象徴的な言葉に満ちている理由を示唆している。
ここでの「人類の未来の変容」は、政治的・宗教的・自然的な大変動を指すと解釈できる。ノストラダムスは16世紀の動乱期に生き、直接的な表現を用いれば権力者や宗教当局からの弾圧を受ける危険があった。そのため、彼は「暗示的な表現」によって予言を包み隠したと見ることができる。
現代的な観点からすれば、この句は言葉の表現と受け手の感情とのバランスを強調している。未来を語るにしても、人々の心理に配慮しなければならないという姿勢は、科学的警告や社会批判にも通じる。すなわち、ノストラダムスの難解な詩文は単なる神秘性ではなく、危険を避けつつ真実を伝えるための戦略的表現であったと理解できるのである。
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