「繁栄に出会う者は、同時に危険にも出会う」

- 紀元前540年頃~紀元前480年頃
- 古代ギリシャ出身
- 哲学者
英文
”No one that encounters prosperity does not also encounter danger.”
日本語訳
「繁栄に出会う者は、同時に危険にも出会う」
解説
この言葉は、繁栄と危険は切り離せない関係にあるという逆説的な真理を示している。成功や繁栄は一見、安定や幸福を意味するが、それと同時に慢心・油断・嫉妬・腐敗といった危険を伴うことをヘラクレイトスは見抜いていた。ここで語られているのは、運命の二面性と、対立するものが不可分に結びついているという、彼の哲学の根幹をなす思想である。
この言葉はまた、すべてのものが対立を通じてバランスを保っているという「対立の調和」の観点からも理解できる。繁栄そのものが悪ではないにせよ、繁栄が極まるとその裏に潜む崩壊の兆しが芽生える。だからこそ、真の知恵とは、成功の中に潜む危機を予見し、それに備える慎重さを持つことにある。
現代においてもこの名言は、政治・経済・個人の成功に対する鋭い警鐘として生きている。たとえば企業の急成長や個人の出世なども、大きな力を手にするほど、その維持や周囲の反発という新たなリスクが生まれる。この言葉は、繁栄に酔うのではなく、それを冷静に見つめ、謙虚さと用心深さを忘れない態度の重要性を教えてくれる。
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