「目は長く慣らせば最も暗い洞窟の中でも見ることができるようになる。同様に、どんなに難解な主題でも、じっくりと熟考すれば真理のかけらを見出すことができる」

- 1685年3月12日~1753年1月14日(67歳没)
- アイルランド出身
- 哲学者、聖職者、「主観的観念論(イマテリアリズム)を提唱した近代哲学者」
英文
”The eye by long use comes to see even in the darkest cavern: and there is no subject so obscure but we may discern some glimpse of truth by long poring on it.”
日本語訳
「目は長く慣らせば最も暗い洞窟の中でも見ることができるようになる。同様に、どんなに難解な主題でも、じっくりと熟考すれば真理のかけらを見出すことができる」
解説
この名言は、根気強い思索と観察が、どんなに難解な問題であっても真理への道を開くという信念を語っている。最初は何も見えない暗闇でも、目が慣れてくれば輪郭が見えてくるように、知性もまた訓練と忍耐によって働きを増すという比喩が巧みに用いられている。ここには知の努力を惜しまずに続けることの価値が強調されている。
ジョージ・バークリーは、感覚と知覚の力を重視した哲学者であり、外界の認識も内面の心の働きによると考えた。この名言における「長く凝視すること」は、まさに心の働きの鍛錬と観察力の深化を意味しており、バークリーの哲学における「知覚の能動性」を象徴している。つまり、対象の本質に近づくには受動的な観察ではなく、能動的な思索が必要であるというメッセージである。
この考えは、現代の学問や研究活動においても極めて重要である。科学的な発見、哲学的な洞察、あるいは人間関係の理解においても、最初は曖昧で不可解なものが、繰り返しの観察や熟考によって意味を帯びてくる。例えば、複雑な数学の定理や抽象芸術の意図も、じっくりと向き合うことでようやく真の理解に至る。この名言は、知識への道はすぐには開けないが、誠実な努力は必ず報われるという希望を与えてくれる。
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