「運命という神秘の壺に、人の手が触れるとき、そこに戦慄なしにはいられない」

- 1759年11月10日~1805年5月9日(45歳没)
- ドイツ出身
- 劇作家、詩人、歴史家、哲学者
英文
“Not without a shudder may the human hand reach into the mysterious urn of destiny.”
日本語訳
「運命という神秘の壺に、人の手が触れるとき、そこに戦慄なしにはいられない」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、人間が自らの運命に関与しようとする瞬間の、深い畏れと不安を描いた詩的かつ象徴的な表現である。運命は不可視で予測不能なものであり、その全容は人智を超えている。シラーは、そうした運命に対して人間が行動を起こすとき、その行為がもつ重大さと、神聖への侵入とも言える危うさを、この名言によって表現している。
壺(urn)は古代から「運命」や「選択」の象徴として用いられ、神々や運命の女神がそこから未来を選び取るイメージがある。人間がその壺に手を伸ばすことは、単なる選択ではなく、自らの人生や歴史に深く関わる決断を意味する。シラーにとってそれは、倫理的、哲学的に重い行為であり、軽々しく触れてはならない神秘的領域である。
現代においても、人生の大きな決断や歴史的選択の場面では、結果の不確かさと責任の重さがつきまとう。この名言は、人間が運命に手を伸ばすという行為の内に潜む、敬虔な恐れと覚悟の必要性を語っている。未来は私たちの手にあるかのように見えて、実は神秘と偶然、そして選択の重みが渦巻く壺の中にあるという、この象徴的なイメージは、時代を超えて深い共感を呼び起こす。
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