ウサーマ・ビン・ラーディン

- 1957年3月10日~2011年5月2日(54歳没)
- サウジアラビア出身
- イスラム過激派指導者、テロ組織アルカーイダの創設者・指導者
人物像と評価
ウサーマ・ビン・ラーディン(オサマ・ビンラディン)は、国際テロ組織アル=カーイダの創設者にして指導者であり、21世紀初頭の国際安全保障に多大な影響を与えた人物である。
彼は1990年代以降、アメリカや西側諸国に対するジハード(聖戦)を掲げ、在外米軍基地への攻撃を主導した。
最大の事件としては、2001年のアメリカ同時多発テロ(9.11)を計画・実行した黒幕とされ、世界に衝撃を与えた。
これによって国際社会の安全保障政策を一変させ、アメリカによる対テロ戦争とアフガニスタン侵攻の契機となった。
一方で、その活動は民間人を標的にする無差別テロという残虐な手段に基づいており、人道的にも国際法的にも強く非難される。
また、彼がアメリカの軍事作戦によって殺害された後も、アル=カーイダの思想は各地に残り、過激主義の象徴として批判され続けている。
ゆえに、宗教を政治的暴力に利用した危険な先例として歴史に名を残している。
名言
- 「我々は信仰によって彼と戦う」
- 「アフガニスタンでの二年間で私が生きたものは、他の場所では百年かかっても生きられなかった」
- 「アメリカ人とその同盟者を殺すこと——民間人も軍人も含め——は、それが可能なあらゆる国で実行できるムスリム一人ひとりの義務である。それはアル=アクサー・モスクと聖なるモスク(メッカ)を彼らの支配から解放し、彼らの軍隊をイスラームの地から敗北させて退去させ、いかなるムスリムも脅かせないようにするためである」
- 「アメリカ人とユダヤ人に向けられたあらゆる努力は、神の御心によって直接的かつ肯定的な結果をもたらす。単なる他の活動に労力を費やすよりも、アメリカ兵一人を殺すほうがはるかに良い」
- 「盗みを働くために他国へ入る泥棒や犯罪者、強盗は、いつでも殺される危険にさらされることを覚悟すべきである。アメリカ軍が私個人からの行動のみを予想するのは極めて狭い認識を示す。何億ものムスリムが怒っている。アメリカ人は、自らが加える不正義に比例した反応をイスラーム世界から受けることを覚悟すべきである」
- 「今日の戦争には道徳は存在しない。我々は、今日の世界で最悪の泥棒であり最悪のテロリストはアメリカ人であると信じている。我々は軍人と民間人を区別する必要はない。我々にとって彼らはすべて標的である」
- 「私は殉教者として死に、天国で神に会うために戦っている。我々の戦いはいまアメリカ人に対するものである」
- 「人々が強い馬と弱い馬を見れば、本能的に強い馬を好む」
- 「もし人々をそれに駆り立てることがテロリズムであり、我々の息子たちを殺す者を殺すことがテロリズムであるならば、歴史が我々をテロリストと証言するがよい」
- 「これらのユダヤ人は高利貸しの達人であり、裏切りの指導者である。彼らはこの世においても来世においてもおまえたちに何も残さないだろう」
- 「おまえたちが我々を殺すように、我々もおまえたちを殺す」
- 「おまえたちの法律とは、富裕層のための法律であり、彼らは政党を支配し、選挙運動に資金を提供している。その背後には、政策、メディア、経済を支配するユダヤ人がいる」
- 「武器をもってする以外に対話は存在しない」
- 「すべてのムスリムは、その心に区別を悟った瞬間から、アメリカ人を憎み、ユダヤ人を憎み、キリスト教徒を憎む。私の記憶する限り、私は苦悩と戦いの中にあり、アメリカ人への憎悪と敵意を抱いてきた」
- 「いや、我々が戦うのは、圧政の下で眠ることをしない自由な人間だからだ。我々は自国に自由を取り戻したい。おまえたちが我々の国を荒廃させるように、我々もおまえたちの国を荒廃させるだろう」
- 「愚かな盗人以外に、他者の安全を脅かしながら自分は安全でいられると信じる者はいない。思慮ある人々は、災厄が起こったとき、その原因を探し出し、再び起こらぬよう防ぐことを最優先にする」
- 「私は19人の兄弟たちを指揮する者である……その襲撃を彼らに託した責任者であった」