「見た目は絶対的なものに思えるが、現実はそうではなく、すべては相互に依存しており、絶対的ではない。その見方は心の平穏を保つのに非常に役立つ。なぜなら、平穏な心を壊す主な原因は怒りだからである」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”Appearance is something absolute, but reality is not that way – everything is interdependent, not absolute. So that view is very helpful to maintain a peace of mind because the main destroyer of a peaceful mind is anger.”

日本語訳

「見た目は絶対的なものに思えるが、現実はそうではなく、すべては相互に依存しており、絶対的ではない。その見方は心の平穏を保つのに非常に役立つ。なぜなら、平穏な心を壊す主な原因は怒りだからである」

解説

この名言は、仏教哲学の中心概念である「縁起(相互依存)」と、それが精神の安定に果たす役割を結びつけて説いている。人間は目に見える表面的な出来事や状況に振り回されやすく、それを「絶対的な現実」として捉えがちである。しかし、ダライ・ラマ14世は、すべての存在や出来事は他との関係の中で成り立っているという視点を持つことが、怒りや執着から自らを解放する鍵だと述べている。

怒りは多くの場合、物事を一面的・固定的に捉えることから生まれる。たとえば他人の言動を「意図的な攻撃」と断定すると、怒りが増幅される。しかし、相手の背景や状況、意図を相互依存の視点で見ることができれば、理解と寛容が生まれ、怒りは軽減される。このように、世界を固定化せず流動的・関係的に捉える智慧が、心の平穏を保つために極めて有効なのである。

現代社会では、情報や人間関係の複雑さが怒りや混乱を生みやすい環境にある。だからこそ、物事の背後にあるつながりや文脈に目を向ける姿勢は、冷静さとバランスを保つために不可欠である。この名言は、日々のストレスや衝突の中でこそ思い出すべき、心の守り方を教えているのである。

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