「宗教的信仰を持っているなら、それはとても良いことであり、そのうえに世俗的な倫理を加えることができる。宗教的信念に倫理を重ねるなら、それもまた良いことである。しかし、宗教に関心のない人々であっても問題はなく、宗教ではなく教育を通じて訓練することができる」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”If you have religious faith, very good, you can add on secular ethics, then religious belief, add on it, very good. But even those people who have no interest about religion, okay, it’s not religion, but you can train through education.”

日本語訳

「宗教的信仰を持っているなら、それはとても良いことであり、そのうえに世俗的な倫理を加えることができる。宗教的信念に倫理を重ねるなら、それもまた良いことである。しかし、宗教に関心のない人々であっても問題はなく、宗教ではなく教育を通じて訓練することができる」

解説

この言葉は、ダライ・ラマ14世が宗教と倫理の関係を包括的に捉えていることを示している。信仰を持つ人は宗教と世俗的倫理を組み合わせることで人間性を高められるが、宗教を持たない人も教育を通じて倫理を身につけることができる。ここで強調されているのは、人間性の基盤は宗教の有無にかかわらず育成可能であるという普遍的な視点である。

背景には、彼が一貫して説いてきた「普遍的倫理(universal ethics)」の考え方がある。現代社会は多宗教・無宗教が混在しており、宗教だけに依存していては倫理的基盤が十分に広がらない。ダライ・ラマはその現実を踏まえ、宗教者にも無宗教者にも共通する教育による倫理教育の必要性を訴えている。

現代においても、この名言は倫理教育の重要性を強調する指針となる。宗教的信仰を持つ人は信仰に基づく徳目を深めることができ、無宗教の人も教育を通じて思いやりや誠実さを学ぶことができる。したがって、この言葉は、宗教を超えて人類全体が共有できる倫理の可能性を示しているのである。

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