「見かけは絶対的なもののように見えるが、現実はそうではない。すべては相互依存しており、絶対的なものではない」

- 1935年7月6日~
- チベット出身
- 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者
英文
”Appearance is something absolute, but reality is not that way – everything is interdependent, not absolute.”
日本語訳
「見かけは絶対的なもののように見えるが、現実はそうではない。すべては相互依存しており、絶対的なものではない」
解説
この言葉は、仏教思想における縁起の原理を端的に表している。私たちは日常的に、物事を独立した絶対的存在として捉えがちである。しかし実際には、すべての事象は他との関係性によって成立しており、固定的で自立した存在ではない。ここで強調されているのは、見かけの絶対性と実際の相互依存性のギャップである。
背景には、仏教の「空」の教えがある。これは、存在は他との条件や原因に依存しているため、固有の絶対的実体を持たないという考え方である。ダライ・ラマ14世はこの思想を、単なる哲学的理論ではなく、現実世界の理解や人間関係の在り方に応用できる知恵として説いている。外見に惑わされず、関係性やつながりを重視する姿勢は、仏教的洞察の核心にある。
現代においても、この名言は多くの示唆を与える。例えば、経済、環境、国際関係といったグローバルな課題は、単独で存在するものではなく、相互依存の網の目の中にある。外見だけで判断すれば誤解や対立を招くが、相互のつながりを理解すれば協力の道が開ける。つまり、この言葉は、世界を関係性の中で捉えることの重要性を教えているのである。
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