「自分が貢献したと思うことが一つある。それは仏教の学と現代科学を結びつけることを助けたことである。他の仏教徒にはそれをした者はいない。他のラマたちは現代科学に注意を払ったことがないと思う。私は子どもの頃から強い関心を持っていた」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”I have done one thing that I think is a contribution: I helped Buddhist science and modern science combine. No other Buddhist has done that. Other lamas, I don’t think they ever pay attention to modern science. Since my childhood, I have a keen interest.”

日本語訳

「自分が貢献したと思うことが一つある。それは仏教の学と現代科学を結びつけることを助けたことである。他の仏教徒にはそれをした者はいない。他のラマたちは現代科学に注意を払ったことがないと思う。私は子どもの頃から強い関心を持っていた」

解説

この言葉は、ダライ・ラマ14世が自らの活動の中で特に誇りに思うものとして、仏教と科学の架け橋となったことを強調している。仏教は長い歴史の中で心や意識を深く探究してきたが、現代科学、とりわけ神経科学や心理学は客観的手法によって心を研究する。この二つを結びつける試みは、伝統と現代知の融合として革新的な意味を持つ。

背景には、彼が1980年代から積極的に科学者との対話を重ね、「心と生命会議(Mind and Life Conference)」を主導した歴史がある。そこで仏教的瞑想の効果が科学的に研究され、ストレス軽減や幸福感の増大といった実証的成果が世界に広まった。これにより、仏教は宗教的枠を超えて人類普遍の知的遺産として注目されるようになった。

現代社会において、この名言は異なる知の体系を結びつける姿勢の重要性を示している。例えば、医療現場では瞑想やマインドフルネスが科学的に検証され、治療の一助として取り入れられている。ダライ・ラマのように伝統を守りつつも現代科学に開かれた姿勢は、宗教者に限らず、あらゆる分野で学際的な進歩と相互理解を促すモデルとなるのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「ダライ・ラマ14世」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る