「性別の平等に関する仏教の基本的立場は、古くから存在する。最高位のタントラの段階においても、最も深遠な秘教のレベルにおいても、女性を──すべての女性を──尊重しなければならない」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”The basic Buddhist stand on the question of equality between the genders is age-old. At the highest tantric levels, at the highest esoteric level, you must respect women: every woman.”

日本語訳

「性別の平等に関する仏教の基本的立場は、古くから存在する。最高位のタントラの段階においても、最も深遠な秘教のレベルにおいても、女性を──すべての女性を──尊重しなければならない」

解説

この名言は、仏教の根本的な教えの中に、男女平等の理念が古くから含まれていたことを再確認するものである。特にダライ・ラマ14世は、チベット仏教の修行体系の中でも高度で神秘的とされる「タントラ」や「密教」の領域においてすら、女性への尊敬が不可欠であると明言している点に注目すべきである。これは単なる社会的主張ではなく、宗教的実践の核心に女性を尊重する倫理が含まれているという意味合いを持つ。

仏教におけるタントラ(密教)では、男性と女性のエネルギーの調和が悟りへの重要な要素とされる。この文脈において、女性は単なる対象ではなく、智慧の象徴(般若)として極めて神聖な存在とされる。したがって、すべての女性を尊重するという姿勢は、単なる道徳的命令ではなく、修行者の精神性と悟りの資質そのものに関わる要求である

この名言は、現代におけるジェンダー平等の議論とも共鳴しうる普遍的な価値を提示している。宗教的伝統の中に根ざす女性尊重の思想を再発見し、それを現代社会にどう活かすかという課題に対し、強力な倫理的基盤を与える言葉である。性別による優劣を否定し、すべての女性を等しく尊重するという信念が、精神的成熟の証であることを教えている

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