「文明は、物事が多く起こる混乱の中でこそ進歩する。出来事が多ければ、多様な勢力が互いに均衡を保つようになるのだ」

福沢諭吉(画像はイメージです)
福沢諭吉(画像はイメージです)
  • 1835年1月10日~1901年2月3日(66歳没)
  • 日本出身
  • 思想家、教育者、著述家、啓蒙運動の先導者、慶應義塾の創設者

原文

「文明は多事の際に進むものなり。多事なれば、各種の元素、互に其権力の平均を得べし」

現代語訳

「文明は、物事が多く起こる混乱の中でこそ進歩する。出来事が多ければ、多様な勢力が互いに均衡を保つようになるのだ」

解説

この言葉は、文明の発展は安定した時ではなく、むしろ多くの問題や対立、変動が生じる「多事」の時にこそ促されるという、福沢諭吉の進歩観を示している。「多事」とは混乱や競争、異なる立場の対立などを含む状況であり、それによって初めて社会の各要素が活性化され、文明が前進するという考え方である。

「各種の元素」とは、政治・経済・宗教・思想・文化などのさまざまな社会的構成要素や勢力を指し、これらが「互に其権力の平均を得べし」とは、互いに牽制し合い、均衡を保つことで偏った支配を防ぎ、全体として調和が保たれることを意味する。これは現代で言えば、多元的社会や権力分立の原則に通じる視点である。

福沢は、秩序や一元的統制だけではなく、対立や衝突を経てこそ進化と自由が実現されると見ており、これは近代的な自由主義社会のダイナミズムをよく表している。現代の民主主義社会や国際社会もまた、多様な価値観のせめぎ合いの中でこそ健全なバランスと前進が生まれるという点において、福沢のこの言葉は進歩の本質を見抜いた普遍的な洞察といえる。

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