「世間では圧制的な政府があると言われているが、実はそれは政府の側の問題ではなく、人民の側が圧制を招いているのだ」

- 1835年1月10日~1901年2月3日(66歳没)
- 日本出身
- 思想家、教育者、著述家、啓蒙運動の先導者、慶應義塾の創設者
原文
「世間に圧制政府と云ふ説があるが、是れは政府の圧制ではない人民の方から圧制を招くのだ」
現代語訳
「世間では圧制的な政府があると言われているが、実はそれは政府の側の問題ではなく、人民の側が圧制を招いているのだ」
解説
この言葉は、政治のあり方は政府だけでなく人民の姿勢によって決まるという、福沢諭吉の政治思想の根幹をなす名言である。彼は、政府の圧政を一方的に非難するのではなく、むしろ無知・依存・無責任な人民の態度が、圧制を許す土壌をつくっているのだと、人民の側の自覚と成熟を強く促した。
福沢が説いた「一身独立して一国独立す」という思想に基づけば、国家の自由と公正な政治は、個々人の独立心と責任感にかかっている。無思慮に権力に従い、思考を放棄している人民が多数を占めれば、どんな政府でもやがて圧制に傾くのは当然であるという、厳しくも現実的な洞察が込められている。
現代においても、民主主義の下で選挙や政策決定に市民が関与できる環境が整っていながら、無関心や思考停止が広がれば、自由は徐々に損なわれ、圧制的な支配が生まれる可能性がある。福沢のこの言葉は、健全な政治を育むためには、人民自身が賢く、主体的でなければならないという、時代を超えて通用する警句である。
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