「言葉は私の vision の双子であり、自らを測るには不十分で、常に私を挑発し続ける。皮肉を込めてこう言うのだ――『ウォルトよ、お前の中には十分に蓄えがあるではないか、なぜそれを解き放たないのだ』と」

ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句
ウォルト・ホイットマンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1819年5月31日~1892年3月26日
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、随筆家、ジャーナリスト

英文

”Speech is the twin of my vision, it is unequal to measure itself, it provokes me forever, it says sarcastically, Walt you contain enough, why don’t you let it out then?”

日本語訳

「言葉は私の vision の双子であり、自らを測るには不十分で、常に私を挑発し続ける。皮肉を込めてこう言うのだ――『ウォルトよ、お前の中には十分に蓄えがあるではないか、なぜそれを解き放たないのだ』と」

解説

この言葉は、言葉と内的ビジョンとの緊張関係を描いている。ホイットマンにとって詩的な「vision(幻視・直観)」は無限で広大であるが、それを言葉にすることは常に不完全であり、言葉はその限界を示しつつ彼を挑発する。ここで語られる「皮肉な声」とは、創造の衝動と表現の限界とのせめぎ合いを示している。

この考えは、彼の詩作『草の葉』そのものに表れている。ホイットマンは人間や自然、宇宙の全体を詩で表そうと試みたが、言葉の器はあまりに小さく、その不十分さに苛まれた。同時に、言葉は彼に「もっと解き放て」と迫り、詩作そのものを永遠の挑戦として突きつける存在であった。19世紀アメリカにおいて新しい詩の形を切り拓いた彼の姿勢は、この言葉に象徴されている。

現代においても、この言葉は創作者や表現者に深く響く。芸術家や作家は常に「内にあるものを完全には表現できない」葛藤を抱えるが、その不可能性こそが創作の原動力になる。ホイットマンの言葉は、表現の限界と創造の衝動が互いに刺激し合い、作品を生み出す力となることを鮮やかに示しているのである。

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