「これまでの世界史の主要な部分から判断すると、正義は常に危機にさらされている」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”Judging from the main portions of the history of the world, so far, justice is always in jeopardy.”
日本語訳
「これまでの世界史の主要な部分から判断すると、正義は常に危機にさらされている」
解説
この言葉は、歴史を振り返ると正義が常に危うい立場に置かれてきたという冷徹な洞察を示している。戦争、権力闘争、圧政、搾取といった歴史的事実の中で、正義はしばしば掲げられながらも、実際には裏切られ、権力や利害に従属させられてきた。ホイットマンは、正義を安定したものではなく、常に守られなければ失われる脆弱な価値として捉えている。
この視点は、19世紀アメリカの社会状況とも結びついている。奴隷制の問題や急速な産業化による格差拡大の中で、民主主義の理念と現実は大きく乖離していた。ホイットマンは詩人として、民主主義の理想を讃美しつつも、正義が容易に実現されない現実を直視していたのである。
現代においても、この言葉は普遍的な意味を持つ。人権や自由が保障されたように見える社会でも、正義は常に政治的・経済的圧力の中で危機にさらされている。例えば、不平等、差別、戦争、情報操作といった問題は、正義の実現を妨げ続けている。ホイットマンの言葉は、正義は与えられるものではなく、常に守り続けなければならない課題であることを鋭く示しているのである。
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