「私の本の言葉は取るに足らぬもの、しかしその全体の流れこそがすべてである」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”The words of my book nothing, the drift of it everything.”
日本語訳
「私の本の言葉は取るに足らぬもの、しかしその全体の流れこそがすべてである」
解説
この言葉は、個々の言葉や表現よりも、全体としての精神や流れに価値があるというホイットマンの文学観を示している。彼は詩を単なる技巧的な言語操作とは見なさず、むしろそこに込められた生命の力や思想の方向性こそを重要と考えた。すなわち、言葉は道具にすぎず、その向かう先、全体の響きや精神が核心であるという立場である。
この思想は、『草の葉』に象徴的に現れている。ホイットマンの詩は一見散漫で形式に縛られないが、その全体を通して流れるのは、人間賛美、自然との一体感、民主主義への信頼といった一貫した精神である。彼は個々の詩句の完成度よりも、詩全体が醸し出すエネルギーと方向性を重視したのであり、これが従来の詩の枠を超えた革新性を生んだ。
現代においても、この言葉は文学や芸術に限らず示唆を与える。文章や表現が完璧でなくとも、全体の流れや思想の力が人を動かすことがある。例えば、スピーチや思想運動においても、個々の言葉よりも全体の理念や熱意が人々に影響を与える。ホイットマンの言葉は、形式や細部にこだわるのではなく、大きな流れの中に宿る本質を捉えることの重要性を教えているのである。
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