「私は最悪の者と同じくらい悪い、しかしありがたいことに、私は最良の者と同じくらい善い」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”I am as bad as the worst, but, thank God, I am as good as the best.”
日本語訳
「私は最悪の者と同じくらい悪い、しかしありがたいことに、私は最良の者と同じくらい善い」
解説
この言葉は、人間存在の二面性と平等性を示している。人は誰しも欠点や罪を抱えており、最悪の人間と同じ弱さを持つ。しかし同時に、人は善や高貴さを体現する力も持っており、最良の人間と同じ価値を分かち合うことができる。ホイットマンはこの両極の共存を肯定的に受け止め、人間を全面的に受け入れる姿勢を打ち出している。
この考えは、『草の葉』に流れる民主主義的精神と直結している。ホイットマンは、人間を善悪や優劣で峻別するのではなく、すべての人が等しく不完全であり、同時に尊厳を持つと信じた。彼にとって、人間性の価値は欠点の有無ではなく、その全体を抱擁する態度にあった。これは19世紀アメリカの多様な人々を讃美した彼の詩の根幹でもある。
現代においても、この言葉は大きな示唆を与える。人は自分を卑下するあまり悪を過度に強調したり、逆に他人を理想化してしまうことがある。しかし、誰もが最悪と同じ弱さを持ち、同時に最良と同じ可能性を持つという視点は、自己受容と他者理解を深める。ホイットマンの言葉は、人間を矛盾した存在として受け入れ、そこに普遍的な価値を見出す思想を示しているのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ウォルト・ホイットマン」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い