「私は宇宙について語られたことを聞いた。幾千年ものあいだ語られてきたことを聞いた。それはそれなりに良くできている、しかしそれだけなのか」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”I heard what was said of the universe, heard it and heard it of several thousand years; it is middling well as far as it goes – but is that all?”
日本語訳
「私は宇宙について語られたことを聞いた。幾千年ものあいだ語られてきたことを聞いた。それはそれなりに良くできている、しかしそれだけなのか」
解説
この言葉は、伝統的な宇宙観や既存の知識に対する懐疑と問いかけを示している。人類は古代から哲学や宗教を通じて宇宙を説明してきたが、ホイットマンにとってそれは「それなりに良い」程度でしかなく、決して全体を尽くすものではなかった。ここには、既成の説明を超えてさらに深く、自由に宇宙を理解しようとする精神が表れている。
この姿勢は『草の葉』全体に通じるものであり、ホイットマンの詩的探究心を象徴する。彼は科学的知識や宗教的教義を否定するのではなく、それらの限界を認めた上で、詩や感性によって宇宙を新たに捉え直そうとした。19世紀アメリカは科学の進歩と宗教的多様化の時代であり、ホイットマンの言葉はその間に立ち、宇宙をより広大で生き生きとしたものとして感じ取る立場を示していた。
現代においても、この言葉は強い意味を持つ。科学的知識は飛躍的に拡大したが、それでもなお「それだけなのか」という問いは残る。人間の感性や芸術的表現は、科学が与えきれない宇宙体験を補完する役割を持つ。ホイットマンの言葉は、宇宙を理解することは単なる知識ではなく、問い続け、感じ続ける行為そのものであることを教えている。
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