「私は目覚めているはずがない、なぜならすべてが以前とは違って見えるからだ。あるいは、今ようやく初めて目覚めたのかもしれず、それまでのすべては卑しい眠りであったのだ」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”I cannot be awake for nothing looks to me as it did before, Or else I am awake for the first time, and all before has been a mean sleep.”
日本語訳
「私は目覚めているはずがない、なぜならすべてが以前とは違って見えるからだ。あるいは、今ようやく初めて目覚めたのかもしれず、それまでのすべては卑しい眠りであったのだ」
解説
この言葉は、自己の内面的変化や新たな覚醒体験を表している。以前と同じ世界に生きていても、その見え方が根本的に変わってしまった時、人はそれを「目覚め」として感じる。ホイットマンはこの体験を、従来の生を「卑しい眠り」と呼ぶことで強調しており、人生の質的転換点を示唆している。
この思想は、彼の詩『草の葉』の根幹にある精神と結びつく。ホイットマンは自然や人間の存在を新たな目で見直し、従来の価値観や因習を超えて、宇宙との一体感や存在の神聖さを体験的に把握する視座を獲得した。19世紀のアメリカ社会において、急速な変化の中で従来の価値観が揺らぐ時代、このような「目覚めの感覚」は革新的であり、読者に新しい自己理解を促すものだった。
現代においても、この言葉は自己成長や精神的変革の瞬間を表す比喩として生きている。例えば、人生の転機や大きな気づきの後、同じ日常風景が全く異なる意味を持って見えることがある。ホイットマンの言葉は、真の目覚めとは世界そのものではなく、自分自身の在り方が変わることを示しているのである。
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