「無学な人には言葉にできぬ新鮮さと無意識さがあり、それは最も高貴な表現の天才の力をも辱め、嘲るものである」

- 1819年5月31日~1892年3月26日
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、随筆家、ジャーナリスト
英文
”There is that indescribable freshness and unconsciousness about an illiterate person that humbles and mocks the power of the noblest expressive genius.”
日本語訳
「無学な人には言葉にできぬ新鮮さと無意識さがあり、それは最も高貴な表現の天才の力をも辱め、嘲るものである」
解説
この言葉は、学問や表現の洗練が必ずしも人間の本質的な魅力や真実を凌駕するものではないという洞察を示している。無学な人は作為や技巧に縛られず、自然体の存在として生きている。その姿勢や言動には、学識豊かな者や芸術的才能を誇る者さえも及ばぬ素朴な力と真実味が宿るとされている。
この考えは、ホイットマンの詩学と深く結びつく。彼は『草の葉』の中で、市井の労働者や農民、日常の人々を賛美し、彼らの中にこそアメリカの民主的精神や人間の根源的な尊厳があると見抜いていた。言葉で磨かれた表現よりも、生活そのものが放つ無意識の力を重視する姿勢は、彼の詩を民衆的で普遍的なものにした。
現代においても、この言葉は響きを持つ。教育や知識は価値あるものであるが、同時にそれは自然な感情や素朴さを覆い隠す危険を伴う。例えば、子どもの無邪気な発言や、専門知識を持たない人々の率直な意見が、時に専門家や芸術家をも圧倒することがある。ホイットマンの言葉は、人間の真価が必ずしも知識や技巧にあるのではなく、素朴で無意識な生の力にあることを教えているのである。
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