「好意を抱けなくても、親切にすることは我々の力でできる」

サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
サミュエル・ジョンソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1709年9月18日~1784年12月13日
  • イギリス出身
  • 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家

英文

”Kindness is in our power, even when fondness is not.”

日本語訳

「好意を抱けなくても、親切にすることは我々の力でできる」

解説

この言葉は、感情に左右されず行動することの倫理的価値を強調している。ジョンソンは、「好きかどうか」という感情は制御できなくとも、「親切にする」という行為は自らの意志で選べると述べている。つまり、道徳的行動は感情に依存しない理性的判断の結果であるべきという考え方を提示しているのである。

18世紀の道徳哲学では、情と理の関係性が重要な議論の対象であった。ジョンソンのこの発言は、人間の義務や社会的徳は、感情に基づく好悪とは無関係に遂行されるべきであるという啓蒙的な倫理観に根ざしている。誰かに特別な好意を抱いていなくとも、その人に対して人間としての尊厳を持って接することは可能であり、むしろそれが成熟した道徳的行為であると説いている。

現代社会でも、対人関係において衝突や共感の欠如は避けがたい。しかしこの言葉は、好き嫌いという感情を超えて、誰に対しても親切であろうとする姿勢こそが、社会的成熟や個人の倫理性の証であるという普遍的な価値を教えてくれる。思いやりは意志の選択であり、常に我々の手中にあるという力強いメッセージが込められている。

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