「男というものは概して、妻がギリシャ語を話すよりも、食卓にうまい夕食が並んでいるほうが満足するものである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”A man is in general better pleased when he has a good dinner upon his table, than when his wife talks Greek.”
日本語訳
「男というものは概して、妻がギリシャ語を話すよりも、食卓にうまい夕食が並んでいるほうが満足するものである」
解説
この言葉は、現実的な快楽や実利が、知的な教養よりも日常的には優先されがちであるという皮肉を含んだ洞察である。妻が学問的な能力を誇るよりも、美味しい食事が用意されていることのほうが、家庭において夫の満足度を高めるというジョンソン独特の現実主義がにじんでいる。
18世紀のイギリスでは、女性の教育は徐々に広がっていたが、依然として家庭の役割や実用性が重視されていた。ジョンソンのこの言葉は、学識や知性の価値を軽視しているのではなく、日々の生活における実際的な充足の強さを風刺的に表現している。学問が抽象的なものであるのに対し、食事は即時的で確かな満足をもたらすという比較である。
現代においても、この言葉はユーモラスな警句として機能する。配偶者が高度な知識や才能を持っていても、家庭内での協力や実際的な配慮が欠けていれば関係は不満を生む。ジョンソンの言葉は、日常生活における現実的な喜びと知的価値とのバランスの重要性を思い起こさせるものであり、教養と実用の双方に意味があることを逆説的に教えているのである。
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