「人々が大いに楽しめるような私邸は、立派な居酒屋には及ばない……いや、紳士、良い居酒屋や宿屋ほど、多くの幸福を生み出すものを人間がこれまで考案したことはないのだ」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”There is no private house in which people can enjoy themselves so well as at a capital tavern… No, Sir; there is nothing which has yet been contrived by man by which so much happiness is produced as by a good tavern or inn.”
日本語訳
「人々が大いに楽しめるような私邸は、立派な居酒屋には及ばない……いや、紳士、良い居酒屋や宿屋ほど、多くの幸福を生み出すものを人間がこれまで考案したことはないのだ」
解説
この言葉は、社交や交流の場としての居酒屋や宿屋の価値を称賛したものである。ジョンソンは、個人の家では得られない自由で活気ある雰囲気が、公共の場である居酒屋や宿屋にはあると述べている。そこでは身分や背景の異なる人々が交わり、談笑や議論が生まれ、人生の楽しみが一層豊かになる。
18世紀のロンドンは、居酒屋やコーヒーハウスが社交・知識交流の中心であり、知識人や商人、政治家が集まる場であった。ジョンソン自身も「タヴァーンの愛好者」として知られ、友人たちとの会合を通じて思想を深めた。この言葉は、居酒屋や宿屋が当時の公共圏の核となっていた歴史的背景を反映している。
現代においても、この言葉は通じる。家庭や職場では得られない解放感や人との交流は、喫茶店や居酒屋、バーといった公共の社交空間に存在する。ジョンソンの言葉は、幸福は必ずしも私的空間に閉じるのではなく、公共の場での交流から生まれるという普遍的な人間理解を伝えているのである。
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