「いかなる災難に遭った時でも、まず思い出すべきことは、どれほどの被害を免れたかである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”When any calamity has been suffered the first thing to be remembered is, how much has been escaped.”
日本語訳
「いかなる災難に遭った時でも、まず思い出すべきことは、どれほどの被害を免れたかである」
解説
この言葉は、不幸に直面したときこそ、失ったものではなく、なお残されているものに目を向けよという、逆境における精神の持ちようを教えている。サミュエル・ジョンソンは、被害や損失のみに囚われるのではなく、最悪の事態を避けられたことに感謝すべきだと諭している。
この思想は、ストア哲学的な自己制御と感謝の態度に通じている。人は災難に遭遇すると、しばしば絶望や怒りにとらわれるが、それでもなお残された命・時間・人間関係・資源などを思えば、希望を持つ余地がある。つまり、被害の全体像ではなく、回避できた部分に焦点を当てることで、心の平衡と回復力が保たれるというのである。
この視点は、現代の自然災害、事故、病気、経済的損失などに対するレジリエンス(回復力)としても有効である。たとえば地震で家を失っても命が助かった場合、そこに感謝を見い出すことが、次の一歩へとつながる。「失ったもの」ではなく「残されたもの」に思いを向けることで、人は再び立ち上がる力を得るのである。
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