「この世は見かけ通りであることは稀だ。かすかにしか物を見られぬ人間には、現実が夢に見え、夢が現実に見える」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”The world is seldom what it seems; to man, who dimly sees, realities appear as dreams, and dreams realities.”
日本語訳
「この世は見かけ通りであることは稀だ。かすかにしか物を見られぬ人間には、現実が夢に見え、夢が現実に見える」
解説
この言葉は、人間の認識の限界と錯覚を鋭く指摘している。ジョンソンは、私たちが現実を正確に把握する力に乏しく、しばしば幻想を真実のように受け取り、本当の現実を見過ごしてしまうことを示唆している。つまり、人間の視野は曇っており、世界の真の姿を捉えることは難しいという哲学的な命題がここに込められている。
この名言の核心には、人間の主観的な理解がいかに不確かであるかという洞察がある。夢のような理想や欲望に心を奪われるあまり、現実の厳しさや真の価値に気づかずに生きてしまうのが常である。また、苦しい現実を直視するのではなく、夢想によって逃避する心理も暗に表している。
現代においても、メディア、SNS、虚構の物語などを通じて私たちはしばしば現実と幻想の境界を見失う。この名言は、自分自身の認識を常に疑い、目の前のものを正しく見る努力の大切さを教えてくれる。そしてそれは、真理や幸福に至るための第一歩である。
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