「人の生涯を記すことができるのは、共に飲食し、交わりを持って生きた者だけである」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Nobody can write the life of a man but those who have eat and drunk and lived in social intercourse with him.”
日本語訳
「人の生涯を記すことができるのは、共に飲食し、交わりを持って生きた者だけである」
解説
この言葉は、伝記や人物評を書く者に求められる深い人間的接触の必要性を語っている。ジョンソンは、ただの記録や外部からの観察では、その人間の本質や内面は決して理解できないと考えていた。日常的な生活を共にし、親密な交流を通じて初めて、その人の真の姿が見えてくるという思想である。
ここでの“eat and drunk and lived in social intercourse”は、形式的な会話ではなく、腹を割った日々の関係を意味する。習慣、弱さ、ユーモア、誇り、沈黙といった、記録に残らない人間の機微は、共に過ごした者にしか感じ取れない。したがって、真に優れた伝記作家とは、その人物の私生活に深く関与した者であるとする見解は、ジョンソン自身が伝記文学において重視した実感的真実の証ともいえる。
この思想は、ジョンソンの友人であり伝記の傑作『ジョンソン伝』を記したジェームズ・ボズウェルに通じる。現代においても、当事者との信頼関係や直接体験に基づく証言の価値を強調するこの言葉は、あらゆる人物描写や報道の根本原理に通ずる。
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