「私の信念を攻撃する者は誰であれ、多少なりともその信念への自信を揺るがし、私を不安にさせる。そして私を不安にさせる者に、私は怒りを覚える」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”Every man who attacks my belief, diminishes in some degree my confidence in it, and therefore makes me uneasy; and I am angry with him who makes me uneasy.”
日本語訳
「私の信念を攻撃する者は誰であれ、多少なりともその信念への自信を揺るがし、私を不安にさせる。そして私を不安にさせる者に、私は怒りを覚える」
解説
この言葉は、人間の信念と感情の関係を率直に描き出している。信念は理性的に持たれているように見えても、他者の批判によって揺らぐと、不安や不快感を生む。人はその不快の原因を批判者に帰し、理屈ではなく感情として怒りを抱くのである。ジョンソンは、人間の心理がいかに脆く、防衛的であるかを示している。
18世紀の思想界では、宗教や哲学的信念をめぐる論争が盛んであった。理性を重んじる啓蒙の時代にあっても、人は信念を攻撃されると感情的に反応しやすい。ジョンソンはその現実を観察し、信念は理性だけではなく感情に深く根ざしていることを認めている。この認識は、当時の寛容や論争の在り方を考える上で重要な洞察だった。
現代においても、この洞察は極めて有効である。宗教、政治、思想、ライフスタイルなどに関する信念は、批判されると理性的な反論以前に感情的な防衛反応を引き起こす。ジョンソンの言葉は、議論や対話の難しさを浮き彫りにし、信念への攻撃が相手の感情を刺激することを理解する謙虚さの必要性を教えているのである。
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