「人間は生まれながらに平等であるというのは真実からほど遠い。二人の人間が半時間ともに過ごせば、必ず一方が他方に明らかな優位を示すようになる」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”So far is it from being true that men are naturally equal, that no two people can be half an hour together, but one shall acquire an evident superiority over the other.”
日本語訳
「人間は生まれながらに平等であるというのは真実からほど遠い。二人の人間が半時間ともに過ごせば、必ず一方が他方に明らかな優位を示すようになる」
解説
この言葉は、人間の不平等性を冷徹に指摘する警句である。ジョンソンは、人間は生まれながらに平等であるという観念を否定し、実際に人が関われば必ず知識・性格・言葉・影響力などの差によって優劣が生じると論じている。ここでは、平等を理念ではなく現実の観察から批判しているのである。
18世紀の思想界では、「自然的平等」や「人権」の思想が啓蒙期に強く唱えられ始めていた。ルソーらの平等論と対照的に、ジョンソンは人間社会の中での優劣や階層の不可避性を強調した。この見解は保守的ともいえるが、当時の階級社会を生きた彼の現実主義を反映している。
現代においても、この言葉は議論を呼ぶ。理念としての平等は尊重されつつも、実際の人間関係や社会では能力差や影響力の差が必ず現れる。教育や政治の場でも、名目的平等と実際の優劣との間には緊張がある。ジョンソンの言葉は、平等を理想としつつも、人間の現実には避けがたい差異が存在するという普遍的な真理を突きつけているのである。
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