「人間の希望の虚しさをこれほど強く確信させる場所は、公立図書館をおいてほかにない」

- 1709年9月18日~1784年12月13日
- イギリス出身
- 詩人、評論家、辞書編纂者、伝記作家
英文
”No place affords a more striking conviction of the vanity of human hopes than a public library.”
日本語訳
「人間の希望の虚しさをこれほど強く確信させる場所は、公立図書館をおいてほかにない」
解説
この言葉は、図書館に並ぶ膨大な書物の存在が人間の努力や希望の儚さを示すという逆説的な洞察である。著者が生涯をかけて書いた作品の多くは、やがて忘れ去られ、埃をかぶる。図書館は知の宝庫であると同時に、人間の名声や希望がいかに限られた寿命しか持たないかを突きつける場所でもある。
18世紀のイギリスでは、知識の蓄積と啓蒙が盛んに進められた一方で、無数の著作が世に出ては埋もれていった。ジョンソンは文人としてその現実を熟知しており、図書館の光景を見ながら、多くの著者が抱いた「永遠に残る」という希望の虚しさを痛感したのである。
現代においても、この指摘は鋭い。数えきれない書籍やデジタル情報が生み出されるが、その大半は人々の記憶から消えていく。図書館やアーカイブに残された無数の本は、人間の知的営みの壮大さと同時に、その限界と儚さを物語っている。ジョンソンの言葉は、知の追求が尊い一方で、名声や永続性を求める欲望の空しさを思い起こさせるのである。
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