「政府の権力はいかなる場合でも、宗教に関する体系や信条を確立しようとする試みに用いられてはならない」

- 1748年2月15日~1832年6月6日(84歳没)
- イギリス出身
- 哲学者、法学者、社会改革者
英文
”No power of government ought to be employed in the endeavor to establish any system or article of belief on the subject of religion.”
日本語訳
「政府の権力はいかなる場合でも、宗教に関する体系や信条を確立しようとする試みに用いられてはならない」
解説
この言葉は、政教分離の原則を明確に示したものである。ベンサムは、宗教的信念は個人の内面に属するものであり、国家権力によって強制されるべきではないと考えた。政府が特定の宗教体系や信条を推し進めることは、信仰の自由を侵害し、社会の多様性と幸福を損なうと警告している。
この思想は、啓蒙時代のヨーロッパにおける宗教と国家の関係をめぐる議論と深く関わる。当時、イギリスを含む多くの国では国教会が存在し、信仰が政治的権力と結びついていた。ベンサムは功利主義の立場から、宗教的権威ではなく合理性と公共の幸福を基盤とする統治を求め、このような発言をしたのである。
現代においても、この原理は依然として重要である。民主主義社会では、政府が特定の宗教を優遇すれば市民間に不平等や対立を生む。例えば、教育政策や公共機関での宗教的扱いに関する議論は今日も続いている。ベンサムの言葉は、信仰の自由と国家の中立性を守ることが、社会全体の安定と幸福の基盤であるという普遍的な教訓として受け止められる。
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