「芸術は生命の樹である。科学は死の樹である」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Art is the tree of life. Science is the tree of death.”
日本語訳
「芸術は生命の樹である。科学は死の樹である」
解説
この言葉は、芸術が人間に生命力や創造力を与える根源であることを示しつつ、同時に科学が人間を機械的・分析的に分解し、生命を奪う危険を孕んでいるというブレイクの批判的視点を表している。彼にとって芸術は精神の自由を養うものであり、科学は物質的な合理主義によって魂を抑圧するものだった。
18世紀末から19世紀初頭のブレイクの時代、啓蒙主義と産業革命が進み、科学的思考と技術の発展が社会の中心となっていた。一方で、自然の破壊や人間性の喪失も進行しており、ブレイクはそれを危惧した。彼にとって科学は決して無価値ではなかったが、人間の感性や精神を軽視し、冷たい合理主義に偏ると「死の樹」となると考えたのである。
現代でも、テクノロジーの進化が人間の生活を豊かにする一方で、AIや遺伝子操作など倫理的な問題が浮上している。この言葉は、科学と芸術のバランスを見失うと人間性を失う危険があることを警告している。ブレイクは芸術を「生命」と結びつけることで、創造と感性の力を人間存在の中心に据えようとしたのである。
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