「守銭奴の目にはギニー金貨は太陽よりも美しく、金で擦り切れた袋は、葡萄で満ちた葡萄の木よりも美しい姿を持っている」

ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句
ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
  • イギリス出身
  • 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家

英文

”To the eyes of a miser a guinea is more beautiful than the sun, and a bag worn with the use of money has more beautiful proportions than a vine filled with grapes.”

日本語訳

「守銭奴の目にはギニー金貨は太陽よりも美しく、金で擦り切れた袋は、葡萄で満ちた葡萄の木よりも美しい姿を持っている」

解説

この言葉は、人間の価値観が欲望によって歪められる様子を皮肉的に描いている。ブレイクは、守銭奴にとって自然の豊かさや太陽の光よりも、金貨や金袋の方が美しく見えるという逆転した価値観を批判している。つまり、欲望や貪欲が人の美意識や真の価値を覆い隠してしまうのである。

この発想は、18世紀から19世紀にかけての産業革命期の社会背景とも結びついている。当時、富と資本の拡大が人々の価値観を支配し、自然や精神的な美しさが軽視される傾向が強まった。ブレイクは、こうした商業主義・物質主義に警鐘を鳴らし、自然の豊かさや精神の自由こそが人間の本質的な美を映すと訴えている。

現代においても、この言葉は消費社会や拝金主義への批判として響く。金銭を基準にすべてを評価する視点は、人間の感性を狭め、世界を貧しく見せてしまう。ブレイクの言葉は、真の美は金ではなく、自然や精神の中にあることを忘れてはならないという警告として受け止められる。

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