「私は名を持たない、生まれてまだ二日なのだ。
あなたを何と呼ぼうか。
私は幸せ、私の名は喜び。
甘美な喜びがあなたに訪れますように!」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”I have no name: I am but two days old.
What shall I call thee?
I happy am, Joy is my name.
Sweet joy befall thee!”
日本語訳
「私は名を持たない、生まれてまだ二日なのだ。
あなたを何と呼ぼうか。
私は幸せ、私の名は喜び。
甘美な喜びがあなたに訪れますように!」
解説
この言葉は、幼児の純真な声を通して、無垢な生命の歓びを讃えるブレイクの詩的表現である。まだ名を持たない新生児が「喜び」として自己を語り、その存在そのものが幸福の象徴となる。ここには、生命が生まれた瞬間から喜びと祝福に包まれているという、ブレイクの生命観が表れている。
この詩句は『無垢の歌 (Songs of Innocence)』に収められた「Infant Joy(幼児の喜び)」の一節であり、18世紀末のイギリス社会における厳格な宗教的・道徳的価値観に対して、子どもの無垢さと自然な幸福を神聖視する姿勢が示されている。ブレイクは「無垢」と「経験」の対比を通じて、人間存在の二面性を探求したが、この詩はその中でも最も柔らかく祝福に満ちた作品である。
現代においても、この名言は普遍的な温かさを持つ。新しい生命の誕生は、社会的地位や知識を超えて、存在そのものが喜びであるという真理を思い起こさせる。ブレイクの言葉は、人間が本来持つ無垢な幸福感を肯定し、私たちに「生きること自体が祝福である」という深い気づきを与えている。
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