「他者に善をなそうとする者は、細部においてそれを行わねばならない。一般的な『善』は悪党や偽善者、おべっか使いの口実にすぎない。なぜなら芸術も科学も、緻密に組織された細部の中にしか存在し得ないからである」

ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句
ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
  • イギリス出身
  • 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家

英文

”He who would do good to another must do it in Minute Particulars: general Good is the plea of the scoundrel, hypocrite, and flatterer, for Art and Science cannot exist but in minutely organized Particulars.”

日本語訳

「他者に善をなそうとする者は、細部においてそれを行わねばならない。一般的な『善』は悪党や偽善者、おべっか使いの口実にすぎない。なぜなら芸術も科学も、緻密に組織された細部の中にしか存在し得ないからである」

解説

この言葉は、具体的な行為としての善の重要性を説いている。ブレイクは、抽象的で漠然とした「善」を掲げるだけでは実際の人間の役には立たず、かえって偽善や権力の道具にされると警告する。真に他者のためになる行為は、「Minute Particulars(細部・具体)」においてこそ実現するという思想である。

この視点は、彼の芸術観や知識観とも深く結びついている。芸術や科学は壮大な抽象概念から生まれるのではなく、一つひとつの緻密な観察や具体的な実践の積み重ねから成立する。ブレイクは「一般的な善」という抽象的理念を批判し、具体的行為を通じてしか真理も美も存在しないと主張した。

現代においても、この名言は普遍的な意義を持つ。社会や政治の場で語られる「公共の善」はしばしば空虚なスローガンに堕し、現実の人間を顧みないことがある。一方で、日常の小さな善行や具体的な支援こそが真の善を形作る。ブレイクの言葉は、抽象的理想に惑わされず、細部に宿る真実と実践の力を重視するべきだと鋭く訴えている。

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