「私は友に怒りを覚えた、その怒りを語ったので、怒りは終わった。私は敵に怒りを覚えた、それを語らなかったので、怒りは増していった」

ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句
ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
  • イギリス出身
  • 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家

英文

”I was angry with my friend: I told my wrath, my wrath did end. I was angry with my foe: I told it not, my wrath did grow.”

日本語訳

「私は友に怒りを覚えた、その怒りを語ったので、怒りは終わった。私は敵に怒りを覚えた、それを語らなかったので、怒りは増していった」

解説

この言葉は、感情を表すことと抑えることの違いがもたらす結果を鮮やかに描いている。友に対して怒りを率直に語れば関係は修復され、怒りは消えていく。しかし、敵に対して怒りを押し殺せば、それは内に蓄積され、ますます大きな憎悪へと変わる。ブレイクはここで、感情を表現することの解放的な力と、沈黙の中で増殖する敵意の危険性を説いている。

この思想は、彼の時代の社会的文脈にも通じる。18世紀末から19世紀初頭のイギリスでは、礼儀や体裁が重視され、感情を抑えることが美徳とされる傾向があった。ブレイクはその風潮に異を唱え、感情を押し殺すことが精神を蝕むと指摘した。彼の詩「A Poison Tree」でも、この思想は象徴的に表現され、抑圧された怒りが破滅を招くことを寓話的に示している。

現代においても、この名言は大きな教訓を持つ。人間関係において、怒りや不満を適切に表現することは健全な関係を維持するために不可欠である。沈黙の中に怒りを隠せば、それはやがて誤解や敵意を増幅させ、関係を破壊しかねない。ブレイクのこの言葉は、感情を率直に伝える勇気の重要性を示す普遍的な真理である。

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