「ある人々に歓喜の涙をもたらす木は、他の人々の目にはただ邪魔に立っている緑のものにすぎない。自然を嘲笑や醜さとして見る者もいれば、ほとんど自然を見ない者もいる。しかし想像力を持つ人の目には、自然そのものが想像力である」

ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句
ウィリアム・ブレイクの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
  • イギリス出身
  • 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家

英文

”The tree which moves some to tears of joy is in the eyes of others only a green thing that stands in the way. Some see nature all ridicule and deformity… and some scarce see nature at all. But to the eyes of the man of imagination, nature is imagination itself.”

日本語訳

「ある人々に歓喜の涙をもたらす木は、他の人々の目にはただ邪魔に立っている緑のものにすぎない。自然を嘲笑や醜さとして見る者もいれば、ほとんど自然を見ない者もいる。しかし想像力を持つ人の目には、自然そのものが想像力である」

解説

この言葉は、人間の感受性や想像力によって自然の見え方が根本的に異なることを示している。ブレイクにとって、自然は単なる外的現象ではなく、人間の内面的世界と深く結びついた存在であった。木を見て歓喜を覚える人もいれば、無価値に感じる人もいるが、想像力を持つ者にとっては自然そのものが精神的真実を映し出す鏡となる。

この思想は、18世紀末の啓蒙主義的自然観に対する反発として理解できる。当時、自然は科学的観察や合理的説明の対象とされがちであったが、ブレイクは自然を詩的・象徴的な存在として捉えた。彼の視点では、自然は単なる物質ではなく、想像力を通じて人間の魂とつながる神秘的現実であった。

現代においても、この言葉は大きな意義を持つ。人が自然をどのように見るかは、その人の心の在り方や想像力の豊かさに依存する。自然を資源としてしか見ないのか、美や精神的啓示の源と見るのかによって、人間の生き方や社会の方向性は大きく変わる。この名言は、自然の価値を再認識し、想像力によってそれを深く体験することの重要性を説いている。

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