「ガンジーを撃て。それでも彼らが服従しないなら、会議派の幹部を12人撃て。それでも足りなければ200人撃て――秩序が回復するまでそう続けるのだ。本気であることを明確に示せば、彼らがいかに速やかに崩れるかが分かるだろう」

- 1889年4月20日~1945年4月30日
- オーストリア=ハンガリー帝国出身
- ナチス・ドイツの政治指導者
英文
”Shoot Gandhi, and if that does not suffice to reduce them to submission, shoot a dozen leading members of Congress; and if that does not suffice, shoot 200 and so on until order is established. You will see how quickly they will collapse as soon as you make it clear that you mean business.”
日本語訳
「ガンジーを撃て。それでも彼らが服従しないなら、会議派の幹部を12人撃て。それでも足りなければ200人撃て――秩序が回復するまでそう続けるのだ。本気であることを明確に示せば、彼らがいかに速やかに崩れるかが分かるだろう」
解説
この発言は、1937年11月19日、ベルヒテスガーデンでイギリスの外相ハリファックス卿(Lord Halifax)と会談した際、アドルフ・ヒトラーが語ったとされる内容であり、複数の回想録(Ivone Kirkpatrick『The Inner Circle』、アンドリュー・ロバーツ『The Holy Fox』)に引用されている。文脈は、イギリスによるインド統治とガンジーを中心とする非暴力運動への対応に関するものである。
ヒトラーはここで、非暴力抵抗という手段を侮蔑し、植民地支配においては見せしめとしての大量殺害によって迅速に秩序を回復すべきだと主張している。この発言に見られるのは、政治的抵抗に対しては対話や妥協ではなく、暴力と恐怖によって従わせるべきだという徹底的な権威主義的発想である。また、これはナチズムの根幹にある「力こそ正義」「暴力こそ秩序の源」という信念を国際問題にまで適用した例でもある。
現代においてこの言葉が示すものは、国家が「秩序回復」を名目にして暴力的抑圧を正当化する危険性である。ヒトラーのように、個人の尊厳や人命を軽視し、政治目的のために大量殺戮を道具とする思想が国家権力を握ったとき、いかにして人道的災厄が引き起こされるかをこの発言は示している。民主主義・法の支配・非暴力という価値が、歴史的にいかに脆弱であり、守られるべきものであるかを痛感させる言葉である。
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