「童謡は詩の芽なり」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「童謡は詩の芽なり」
解説
この言葉は、童謡が詩の出発点であり源泉であるという見解を端的に表している。森鴎外は、童謡を単なる子どもの歌としてではなく、詩の本質や感性の萌芽がそこに含まれているものと捉えている。童謡には、素朴で純粋な感情、音や言葉のリズム、自然や生活への親しみがあり、それらは後に成熟した詩へと発展する「芽」であるという比喩である。
この発想の背景には、明治から大正期にかけての国語教育や児童文学の発展がある。当時、童謡は子どもの情操教育や言語感覚の育成に重要な役割を果たしており、鴎外も文学者としてその価値を理解していた。幼少期に触れる言葉やリズムの体験が、将来の文学的感性の土台になるという認識は、彼の文学観にも通じる。
現代においても、この言葉は教育や創作において示唆に富む。幼い頃に耳にする歌や物語は、その後の感性や表現力を形作る重要な要素である。童謡を大切にすることは、言葉の美しさや表現の豊かさを次世代へ継承することにつながる。この短い一文は、童謡の文化的・教育的価値を簡潔に言い表している。
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