「少壮時代に心の田地に卸された種子は、容易に根を断つことの出来ないものである」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「少壮時代に心の田地に卸された種子は、容易に根を断つことの出来ないものである」
解説
この言葉は、若い時期に心に刻まれた思想や価値観、経験は、生涯にわたって強い影響を及ぼすという真理を述べている。「心の田地」とは精神や感性を耕す場を指し、「卸された種子」はその時期に植え付けられた信念や知識、感情を意味する。森鴎外は、これらが一度根を張ると、後から変えようとしても容易には断ち切れないと強調している。
この発想の背景には、明治から大正期の教育観や人間形成論がある。当時、青年期の教育や経験が人格形成の基盤となり、その後の人生や社会的行動を方向づけると広く信じられていた。鴎外も医師・軍人・作家として、若年期の環境や思想の影響が、その人の生涯を左右する様子を多く見てきたと考えられる。
現代においても、この指摘は心理学や教育学の観点から裏付けられる。幼少期から青年期にかけての価値観や信念は、社会や人間関係の中で繰り返し強化され、成長後も無意識の行動や判断に影響を及ぼす。若い時期の経験が長期的な人生の方向性を決めるというこの言葉は、教育や自己形成の重要性を改めて示している。
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