「死なないわけには行かない。死ぬるまで弾力を保存したい」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「死なないわけには行かない。死ぬるまで弾力を保存したい」
解説
この言葉は、死を避けられない現実と、その中での生き方の理想を簡潔に表している。森鴎外は、人間が死を免れないことを冷静に認めつつ、その瞬間まで精神的・肉体的な「弾力」――すなわち活力や柔軟性、生命力――を保ち続けたいと述べている。ここでの「弾力」は、単なる体力だけでなく、変化に適応し、困難を跳ね返す心の力も含んでいる。
この考えの背景には、鴎外の晩年の人生観がある。軍医総監としての激務や病気との関わり、そして作家としての創作活動を通じ、彼は人間の生命の有限性を深く意識していた。その中で、寿命の長さよりも、死の直前まで活き活きと自分らしくあることを価値として見出していたと考えられる。
現代においても、この言葉は健康や生きがいを追求する姿勢と響き合う。長生きすること自体よりも、最後まで意欲と行動力を持ち続けることが人生の質を高める。例えば、高齢になっても趣味や学びを続ける人は、まさにこの「弾力」を体現している。避けられない死に向かう中でも、どう生きるかが最も重要であるという鴎外の洞察は、今も変わらず力強いメッセージを持つ。
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