「美しいものが人の心を和げる威力の下には、親だって、老人だって屈せずにはいられない」

- 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、翻訳家、軍医
原文
「美しいものが人の心を和げる威力の下には、親だって、老人だって屈せずにはいられない」
解説
この言葉は、美が持つ普遍的な力について述べている。美しいものは、年齢や立場を超えて人の心を和らげ、感情を動かす力を持つ。ここでの「美しいもの」は、自然の景色や芸術作品だけでなく、人の振る舞いや言葉なども含む広い概念と解釈できる。森鴎外は、親や老人といった経験豊富で感情が動きにくい存在でさえ、その威力には逆らえないと断言している。
この発想の背景には、鴎外自身の文学的感性と西洋美学の影響がある。明治から大正期にかけて、日本は西洋芸術や文化を積極的に取り入れ、美に対する価値観が拡張されていた。鴎外は軍医や外交経験を通じて多くの国の芸術や文化に触れ、その中で美が人間の心に及ぼす影響は国や時代を問わず普遍的であると確信していた。
現代においても、この言葉は多くの場面で当てはまる。美しい音楽が世代や文化の壁を越えて人々を感動させたり、優雅な所作や思いやりのある行為が相手の心を和ませたりすることは珍しくない。美は人の防御心を解き、共感や優しさを引き出す力を持つというこの洞察は、時代を超えて生き続ける真理である。
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