「一々の詞を秤の皿に載せるような事をせずに、なんでも言いたい事を言うのは、我々青年の特権だね」

森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
森鴎外の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1862年2月17日~1922年7月9日(60歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、翻訳家、軍医

原文

「一々の詞を秤の皿に載せるような事をせずに、なんでも言いたい事を言うのは、我々青年の特権だね」

解説

この言葉は、若者特有の率直さと自由な発言を肯定的に捉えている。「一々の詞を秤の皿に載せる」とは、発言を慎重に量り、細かく検討することを意味する。これをせずに思ったことをそのまま口にするのは、経験や立場による制約が少ない青年期だからこそ許される行動であると述べている。ここには、熟慮よりも情熱や即興性を重んじる青春の価値が表れている。

森鴎外がこのように語った背景には、明治期の言論や表現の自由に対する新しい感覚がある。当時、日本は近代化の過程で西洋的な個人主義や自由思想を吸収しつつあったが、それでも年長者や社会的地位のある人々は慎重な言動を求められた。その中で、青年は社会的束縛から相対的に解放され、率直に意見を述べることができる存在と見なされたのである。

現代においても、この精神は重要である。SNSやオンラインメディアでは、若者が既存の価値観や制度に対して率直な意見を発信し、社会的議論を活性化させている。しかし同時に、無制限な発言は誤解や対立を招く危険も伴うため、青年の特権である自由な発言を、建設的な対話へとつなげる意識が求められる。

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