「私は只寝ているのではない、えらい事を考えようと思って寝て居るのである」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「私は只寝ているのではない、えらい事を考えようと思って寝て居るのである」
解説
この言葉は、一見すると怠惰に見える行為の裏に、創造や思索の意図があることを表している。「寝ている」という外面的な状態は休息や怠けと捉えられがちだが、本人にとっては大きな発想や重要な思考を巡らせるための時間である。つまり、外からは静止して見えても、内面では活発な活動が行われているという自己弁明と自負が含まれている。
背景には、創造的な発想は必ずしも机に向かって生まれるものではないという考え方がある。特に文学者や思想家にとって、横になって目を閉じ、意識を半ば夢想状態に置くことで、日常では得られない洞察や構想が浮かぶことがある。この「寝る」行為は、単なる休息ではなく、精神を解放し、潜在意識の働きを引き出すための方法でもある。
現代にも通じるのは、見かけ上の無為が、実は重要な創造プロセスの一部であるという発想である。例えば、散歩や入浴、あるいは横になっているときに突然良いアイデアが浮かぶ経験は、多くの人に共通する。したがって、この言葉は怠けの正当化であると同時に、創造的休息の価値を示すユーモラスな自己表現でもある。
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