「馬券で中るのは、人の心を中るより六ずかしいじゃありませんか」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「馬券で中るのは、人の心を中るより六ずかしいじゃありませんか」
解説
この言葉は、人の心を見抜くことよりも、競馬で的中させることのほうが難しいという皮肉を込めた表現である。一般には、人の心を読むことは極めて難しいとされるが、ここではそれを逆転させ、競馬の不確実さと運の要素の大きさを強調している。
背景には、漱石らしいユーモアと現実感覚がある。人間関係には感情や論理の予測可能な部分が多少なりとも存在するが、ギャンブルの結果は完全に偶然に左右される。つまり、確率と偶然の世界のほうが、心理や人情よりも手強いという逆説的な見方だ。
現代でも、株式投資やスポーツの勝敗予想など、偶然性の強い分野では同じことが言える。人の心はまだ努力や経験である程度理解できるが、運任せの領域では、努力が必ずしも報われないという現実を、この言葉は軽妙に指摘している。
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