「ナポレオンでも、アレキサンダーでも勝って満足したものは一人もない」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「ナポレオンでも、アレキサンダーでも勝って満足したものは一人もない」
解説
この言葉は、歴史的な大征服者であっても、勝利そのものに満足して終わることはなく、さらなる野望や拡張を求め続けたという人間の欲望の尽きなさを指摘している。漱石は、ナポレオンやアレキサンダー大王という象徴的な人物を例に挙げ、成功や栄光が必ずしも充足をもたらさない現実を示している。
漱石の時代は、帝国主義が世界を席巻し、列強が領土拡大を続けていた。こうした背景の中で、人間の野心は達成によって静まるのではなく、むしろ新たな欲望を呼び起こすという歴史の教訓は重みを持っていた。漱石は、勝利後の虚しさや飽くなき拡張心が、偉大な人物すら安らぎから遠ざけることを理解していた。
現代においても、この洞察は企業の市場拡大競争や、個人の地位・名誉の追求に通じる。一定の目標を達成しても、さらなる成果を求め続ける過程で疲弊し、満足を得られない人は少なくない。漱石のこの言葉は、成功の本質と欲望の限界について深く考えさせるものである。
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