「相談は一人一人に限る。大勢寄ると、各自が自分の存在を主張しようとして、稍ともすれば異を樹てる。それでなければ、自分の存在を閑却された心持になって、初手から冷淡に構える。相談はどうしても一人一人に限る」

夏目漱石の名言・格言・警句(画像はイメージです)
夏目漱石の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
  • 日本出身
  • 小説家、評論家、英文学者

原文

「相談は一人一人に限る。大勢寄ると、各自が自分の存在を主張しようとして、稍ともすれば異を樹てる。それでなければ、自分の存在を閑却された心持になって、初手から冷淡に構える。相談はどうしても一人一人に限る」

解説

この言葉は、効果的な相談や意思疎通には少人数、特に一対一が望ましいという人間関係の原則を述べている。多人数で集まると、各人が自分の意見を目立たせようとし、必要以上に反対意見を唱えたり、逆に疎外感を覚えて黙ってしまう傾向があると指摘している。

背景には、人間の承認欲求と自己防衛本能がある。多人数の場では「自分を軽く扱われたくない」という意識が働き、建設的な対話よりも自己主張や対抗心が優先されやすい。その結果、議論は感情的になり、解決すべき本題が進みにくくなる。

現代でも、重要な交渉やデリケートな相談は、一対一で行う方が信頼関係を築きやすく、相手も安心して本音を語れる。この考え方は、職場の人事面談や個別指導、友人間の深い話など、さまざまな場面にそのまま応用できる。

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