「口を糊するに足を棒にして脳を空にするのは二十世紀の常である。不平抔をいうより二十世紀を呪詛する方がよい」

- 1867年2月9日~1916年12月9日(49歳没)
- 日本出身
- 小説家、評論家、英文学者
原文
「口を糊するに足を棒にして脳を空にするのは二十世紀の常である。不平抔をいうより二十世紀を呪詛する方がよい」
解説
この言葉は、生計を立てるための労働が人間の体力と知力を消耗させる現代社会の現実を風刺している。「口を糊する」とは、食べていく、つまり生計を立てることを指し、「足を棒にして」は肉体的に疲弊し、「脳を空にする」は精神的・知的活動が奪われることを意味する。これらはすべて、二十世紀における労働者や知識人が直面する典型的な状況として描かれている。
「不平抔をいうより二十世紀を呪詛する方がよい」という後半は、単なる個別の不満や愚痴を述べるのではなく、この状況を生み出している時代そのものの構造や価値観を批判すべきだという強い姿勢を示す。つまり、問題は一部の人や出来事ではなく、時代精神や社会制度そのものにあるという認識である。
現代にも通じる示唆は多い。過労や情報過多の社会で、身体を酷使しながら知的余力を失う働き方は、二十一世紀に入っても続いている。この言葉は、個別の職場や上司に対する不満にとどまらず、「そのような働き方を当然とする時代背景」への根本的批判の重要性を訴えている。
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