「日本人にとって非核の理念は危険な外国の核に囲まれているこの国の危険な現実よりもはるかに現実的なようだ。こんな国際状況の中でも、自衛と抑止のための日本の核保有の議論が一向に聞こえないのは脳天気な現象だ。ドゴールは世界の中で核兵器の保有資格の一番高いのは日本なのにと言っていたものだ」

- 1932年9月30日~2022年2月1日(89歳没)
- 日本出身
- 第14~17代東京都知事、作家、政治家
原文
「日本人にとって非核の理念は危険な外国の核に囲まれているこの国の危険な現実よりもはるかに現実的なようだ。こんな国際状況の中でも、自衛と抑止のための日本の核保有の議論が一向に聞こえないのは脳天気な現象だ。ドゴールは世界の中で核兵器の保有資格の一番高いのは日本なのにと言っていたものだ」
解説
この言葉は、石原慎太郎が日本人の非核志向と安全保障意識の乖離を批判した発言である。彼は、日本が中国・ロシア・北朝鮮といった核保有国に囲まれている現実を踏まえれば、非核理念だけを掲げるのは現実的でないとし、核抑止力の必要性を議論すらしない現状を「脳天気」と表現している。また、フランスのシャルル・ド・ゴールが日本を「核保有資格が最も高い国」と評した逸話を引き合いに出し、日本の技術力や経済力を核戦略に活かせない現状を惜しんでいる。
この発言の背景には、戦後日本の安全保障政策における非核三原則と、憲法第九条による軍事的制約がある。石原は、これらが日本の抑止力を弱め、国際政治での立場を脆弱にしていると見ていた。特に冷戦後も続く東アジアの緊張や北朝鮮の核開発は、彼にとって核議論の必要性を裏付ける現実だった。
現代への応用として、この言葉は理想と現実のバランスをどう取るかという安全保障上の課題を示している。核保有は国際的孤立や軍拡競争のリスクを伴う一方で、一定の抑止力を持つ手段でもある。石原の発言は、日本が安全保障戦略を立てる上で、非核理念を堅持するのか、それとも抑止力を強化する方向に舵を切るのかという根本的な選択を迫るものである。
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